
Amazon物販で成功するためには、商品の登録方法を適切に理解することが重要です。
今回は、多くのセラーが悩むバリエーション登録について、メリットとデメリット、そして具体的な作り方まで詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、以下の内容について理解を深めることができます:
- バリエーションの基本的な仕組み
- バリエーションの種類と親子関係
- バリエーション登録のメリットとデメリット
そもそもASINとは?基本を理解しよう
バリエーション登録の話に入る前に、まずASINについて理解しておく必要があります。
ASINとは「Amazon Standard Identification Number」の略で、Amazonの独自の商品コードです。
ASINは必ず10桁の英数字で構成され、最初の文字は「B」から始まるという特徴があります。
ASINと商品の関係性を理解する上で重要なのが、JANコードとの関係です。
JANコード、ASIN、そして商品カタログは1対1対1の関係にあります。
つまり、1つのJANコードに対して1つのASIN、そして1つの商品カタログが紐づいているということです。
ここで実用的な小ネタを1つ共有しておきましょう。
商品カタログの最短URLは以下の形式になっています:
https://www.amazon.co.jp/dp/ASIN
このURLフォーマットは、商品ページを他の人に共有する際に便利です。
余計なパラメータがないシンプルなURLなので、商品の共有や参照に最適です。
バリエーション登録の基礎知識
バリエーションとは、互いに関連性のある一連の商品を1つの商品カタログのようにまとめて表示する仕組みです。
この仕組みについて、具体例を使って説明していきましょう。

通常、バリエーション登録をしていない場合、それぞれの商品は独立したASINとして存在します。
例えば、ある商品Aの赤色バージョンはB001、黒色バージョンはB002、白色バージョンはB003というように、それぞれが別々のASINを持っています。
一方、バリエーション登録をして商品カタログを統合すると、状況は大きく変わります。
先ほどの赤・黒・白の各ASINは並列に配置され、その上に新たなASINが作成されます。
この構造において、並列に並ぶ赤・黒・白の商品は「子ASIN」と呼ばれ、上部に新しく作られたASIN(例:B004)は「親ASIN」と呼ばれます。
ここで重要なのは、親ASINの特徴です。
親ASINには確かにASINコードは割り当てられますが、実際の商品としての実態は存在しません。
また、JANコードも必要ありません。
いわば、バーチャルなASINとして機能するのです。

具体例として、Amazonセラーの代表格であるAnkerのモバイルバッテリーを見てみましょう。
親ASINはB0D65KY7C2ですが、これには実態がなく、JANコードも存在しません。
その下に、黒色版のB019GNUT0Cをはじめ、青・白・赤それぞれの色違いが子ASINとして存在し、それぞれが独自のASINを持っているという構造になっています。
このように、バリエーション登録は複数の関連商品を効果的に管理し、表示するための重要な仕組みとして機能しているのです。
Amazonで認められるバリエーションの種類
Amazonでは、バリエーション登録が認められる商品の種類が明確に定められています。
主なバリエーションとして認められているのは以下のような種類です:
- 色の違い
- サイズの違い
- 容量の違い
- 単品とセット(何個セット)の違い
これらのバリエーションは日常的によく目にするものです。
例えば、服や靴では色やサイズのバリエーションがよく使われていますし、日用品や洗剤などでは容量の違いや単品・セット販売のバリエーションをよく見かけます。
また、これらの組み合わせも認められています。
例えば「黒のLサイズ」「赤のMサイズ」といった、色とサイズを組み合わせたバリエーションも可能です。
一方で、Amazonでは認められないバリエーションも存在します。
主な例として「同じ柄の長袖と半袖」や「メインの商品と付属品単品」などが挙げられます。
これらは互いに関連性が認められないとされているためです。
実は、規約上NGとされているバリエーションでも、実際のマーケットプレイスでは存在していることがあります。
例えば、メインの商品と付属品単体を組み合わせたものや、見た目が全く異なる商品同士を組み合わせたものなどです。
これは、後述するバリエーション登録のメリットを活用したいがために、あえて規約に反して組んでいるケースです。
ただし、このような規約違反のバリエーション登録はお勧めできません。
確かに、Amazonに発見されない限りは運用可能で、特別なペナルティが科されることもありません。
しかし、発見されてバリエーションが解除された場合、再度の設定作業が必要になるなど、面倒な事態を招く可能性があります。
バリエーション登録の3つのメリット
バリエーション登録には、Amazon物販における大きな利点があります。
具体的な3つのメリットについて解説していきましょう。
1. 検索順位が上がり、売上が増加する
検索順位には親ASINベースの販売個数が大きく影響します。
Amazonの検索結果での表示順位は、基本的にキーワードごとの販売個数順(厳密には注文数順)で決定されます。
バリエーション登録をすることで、その販売個数が親ASINで合算されるため、単体のASINよりも大幅な嵩上げが可能になります。
検索順位が上がることで表示回数が増え、それに比例して販売個数と売上も増加します。
ここで重要なのは、表示回数の増減に対するCVR(ユニットセッション率)は変わらないという点です。
つまり、表示回数が増えれば増えるほど、それに応じて販売個数も売上も増加することになる、ということですね。
ただし、これには重要な前提条件があります。
各ASINがしっかりと売れていなければ、検索順位の上昇は望めません。
これは当然のことですが、見落としてはいけない重要なポイントです。
2. レビューが合算表示される
親ASINベースでレビューが表示されることで、レビューの蓄積スピードが早くなります。
これはセラーにとって特に重要なメリットとなります。
3. 親ASINベースのCVRが上昇する
バリエーション登録により選択肢が増えることで、より多くの顧客ニーズに対応できるようになり、その結果、CVR(ユニットセッション率)の上昇が期待できます。
ただし、このメリットにも注意点があります。
選択肢が多すぎると、かえって顧客が選べなくなってしまい、CVRが下がる可能性があります。
例えば、選択肢が何十個もあるような場合、顧客は選択に迷って購入を諦めてしまうかもしれません。
なので、闇雲にバリエーションを増やすのもおすすめしません。
バリエーションを組まない選択肢について
今まで述べたように、バリエーション登録には確かに大きなメリットがありますが、必ずしもすべての商品に最適というわけではありません。
バリエーションを組まないという選択肢についても、しっかりと検討する必要があります。
バリエーション登録のメリットを改めて整理すると、以下の点が挙げられます:
- 販売個数とレビューを集約できる
- 検索結果で上位を狙いやすくなる
- 親ASINベースでのCVRが向上する
しかし、これらのメリットと引き換えに、重要なデメリットも存在します。
最も大きな制約は「1ASINしか表示できない」という点です。
そのため、他にも売れ筋のバリエーションがある場合は、それらを広告で出す必要が出てきます。
これはバリエーション登録における典型的なトレードオフといえます。
一方、バリエーションを組まない場合はどうでしょうか。
確かに、販売個数とレビューは分散してしまいますが、検索結果に複数のASINを表示できるというメリットがあります。
これにより、検索結果を面で押さえることができ、自社ブランドの露出を増やす、ということも可能になります。
特に、売れ筋のバリエーションが複数あり、それぞれが検索結果で上位表示できる場合は、あえてバリエーションを組んで露出を減らす必要はありません。
実際、力のあるセラーの中には、自社商品の各バリエーションで検索結果の上位を埋め尽くすという戦略を取っているケースもあります。
このような戦略は「このブランド聞いたことなかったけど、こんなに売れているんだ」という印象を顧客に与えることができ、ブランド認知の向上にも繋がります。
このように、バリエーション登録を行うかどうかは、商品の特性や自社の戦略によって変わってくる選択肢といえます。
それぞれのアプローチにメリット・デメリットがあり、画一的な正解というのは存在しないんですね。
まとめ:バリエーション登録を活用しよう
バリエーション登録について、重要なポイントを整理しましょう。
- バリエーションの本質
- 複数のASINを擬似的に束ねることができる仕組み
- 親ASINと子ASINの関係性を活用したシステム
- 主なメリット
- 販売個数が合算され、検索順位が上位に表示される
- レビューも合算される
- 全体的なCVRの向上が期待できる
- 考慮すべきデメリット
- 1ASINしか表示されない制約
- 複数の売れ筋商品がある場合は露出が制限される
バリエーション登録は、Amazon物販における重要な戦略の一つです。
しかし、商品展開や戦略によっては、あえてバリエーションを組まないという選択肢も有効です。
自社の商品特性や販売戦略をよく考えた上で、バリエーション登録を組むか組まないかを決定することが重要です。
具体的な登録方法を解説した動画はこちら
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