定期おトク便徹底解説!

Amazonの定期おトク便。「やってみたいけど、どうすればいいのかわからない」「本当に効果があるのか不安」という声をよく聞きます。

この記事では、Amazon物販で7年の経験を持つ私桜木が、定期おトク便について、その仕組みから具体的な設定方法、さらには成功のポイントまで徹底的に解説します。

1. 定期おトク便とは?基本のキホン

定期おトク便は、購入者が希望する頻度で商品を自動配送する、Amazonのサブスクリプション型サービスです。

  • 特定の商品を定期的に購入してもらうービス
  • セラーは最大10%の割引を設定可能
  • 条件によってはさらに5%の追加割引も可能(Amazonが負担)
  • 対象商品はAmazonが決定(セラーは選択できない)
  • 購入者はいつでもキャンセル可能

重要なポイントは、定期おトク便の対象商品をセラーが自由に選べないという点です。

これは、サービスの品質を保ち、購入者の信頼を維持するためのAmazonの方針と思われます。

2. 定期おトク便のメリット・デメリット

サービスの概要は理解できたかと思いますが、購入者にとってどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

購入者のメリット

定期的な自動配送

日用品や消耗品の購入を自動化でき、買い忘れの心配がなくなります。

2週間から6ヶ月まで配送頻度を自由に設定可能です。なかなかの自由度ですね!

割引価格での購入

通常価格から最大10%オフになります(5%か10%の2種類)。

後ほど説明する専用クーポンがついている場合は更なる割引も受けられます。

配送料の無料化

プライム会員でなくても配送料無料になります。

非プライム会員が送料無料になるためには、通常は3,500円以上の購入が必要なので、配送料無料のハードルがなくなります。

柔軟な運用

いつでもキャンセル可能です。

また配送頻度の変更も自由です。

上記のとおり、購入者にとっては多くのメリットがあり、デメリットは特に見つかりません。

購入者にとってはとてもお得なサービスですね!

セラーが自分でなにかを購入する際も、定期おトク便の設定があれば、ぜひ検討してみてください。

セラーのメリット

一方で、セラーにとってはどんなメリットがあるのでしょうか。

リピート客の確保

ほとんどのセラーは少なくない広告費を投入して売上をあげていますが、リピート客を確保することにより、広告を使わなくてもある程度の売上を確保することができます。

これは非常に大きなメリットですね。

そしてこれが積み重なるとブランドロイヤリティの構築につながります

セラーのデメリット

利益率の低下

少なくとも5%の割引設定が必要なので、利益率は低下します。

また専用クーポンと併用することでさらに利益率が低下します。

ただしこれはリピート客の確保とトレードオフなので、仕方ないですね。

価格戦略の制限

定期おトク便価格と連動するため通常価格を下げにくくなり、柔軟な価格設定が難しくなります。

キャンセルのリスク

とにかく安く買うことだけを目標とする購入者が、初回購入後すぐにキャンセルすることがあります。

ただしこれは購入者のごく一部と言えるでしょう。

在庫管理の重要性

定期的な需要に対応する在庫確保が必須になります。

在庫切れは信頼低下に直結するので、十分注意しましょう。


定期おトク便のデメリットは確かに存在しますが、広告費の削減や安定的な売上という大きなメリットと比較すると、メリットがはるかに上回ると考えられます。

特に日用品や消耗品を扱うセラーにとっては、検討する価値が高いサービスといえます。

3. 定期おトク便を始めるための条件

実は定期おトク便は、誰でも始められるサービスではありません。

Amazonから選ばれる必要があります。

自動登録制

重要なポイントは、定期おトク便の対象商品をセラーが自由に選べないということです。

Amazonが条件に合う商品を選び、初期設定では0%の割引で自動的に登録されます。

参加資格の要件

FBA出荷限定

FBAでの出荷が必須となります。

自社出荷は対象外です。

出品実績の確認

下記3つがチェックされます。

  • 出荷履歴
  • 在庫ありの割合
  • 販売実績

商品カテゴリーの制限

特定の商品カテゴリのみ対象になります。

しかし対象カテゴリーは非公開です。

複数のライバル商品をチェックして、定期おトク便になっている商品があれば、対象カテゴリーであるとみなしてよいでしょう。

消耗品や定期的に使用する商品が対象になりやすいようです。

パフォーマンス指標のチェック

下記3つも確認されます。

これらがAmazonの基準(非公開)を満たしていない場合、定期おトク便の対象から外れる可能性があります。

  • 十分な在庫レベルの維持
  • 購入者からの評価
  • 定期おトク便注文のキャンセル率

ただし真っ当に運営していれば、これらが極端に悪化することは考えにくいので、あまり気にしなくて良いでしょう。

参加資格を確認する方法

1.まずは下記リンクから定期おトク便のダッシュボードを呼び出します。

※セラーセントラルへのログインが必要です。

定期おトク便ダッシュボード

通常の、左上の3本線から呼び出すメニューの中にはありません。

2.ダッシュボードの右端の「FBA商品がAmazon定期おトク便の対象かどうかを確認する」のリンクをクリックします。

FBA商品がAmazon定期おトク便の対象かどうかを確認する

3.ASINとSKUを入力して対象商品かチェックします。

ASINとSKUを入力して対象商品かチェックします

4. 定期おトク便専用クーポンの活用

定期おトク便専用クーポンは、初回購入限定で割引を提供できる、定期おトク便を推進するための強力なツールです。

クーポンの基本情報

  • 定期おトク便の利用者だけが使用可能な初回購入限定のクーポン
  • 最大50%までの割引が可能
  • 通常のクーポンと併用可能

クーポン設定の具体的な手順

1.「広告」メニューから「クーポン」を選択します。

「広告」メニューから「クーポン」を選択します

2.「新しいクーポンを作成」をクリックします。

「新しいクーポンを作成」をクリックします

3.「Amazon定期おトク便」を選択します。

「Amazon定期おトク便」を選択します

4.対象商品(自動登録済み商品)を選択し、「次へ」をクリックします。

対象商品(自動登録済み商品)を選択し、「次へ」をクリックします

5.このあとの流れは通常のクーポンと同じ。もろもろ設定し、確認した上で送信します。

確認した上で送信します

クーポンの細かい設定に関して知りたい人は、こちらの記事を参照してみてください。

クーポン活用のポイント

初回購入の障壁を下げる

通常の定期おトク便割引に加えて大きな割引を提供して、新規顧客の獲得を促進します。

利益計算の重要性

クーポン割引+定期おトク便割引の合計を考慮して、適切な利益率の確保できるよう、事前に計算しておきます。

ただし定期おトク便の購入者には以後広告費がかからなくなるので、それも計算に入れましょう。

5. 定期おトク便ダッシュボードの使い方

定期おトク便のもろもろの設定は、専用のダッシュボードから行います。ダッシュボードへのアクセス方法は下記のリンクから行います。

定期おトク便ダッシュボード

またこのダッシュボードは「商品の管理」と「パフォーマンスダッシュボード」の2つから構成されています。

「商品の管理」の使い方

まずは「商品の管理」から解説します。

商品情報の確認

画面下で、現在定期おトク便に登録されている商品の、メイン画像、タイトル、ASIN、在庫数、現在の割引率等が確認できます。

割引率の設定

1.「出品者による割引」ボタンをクリックします。

2.0%、5%、10%から選択可能し、「割引を確定する」ボタンで適用します。

デフォルト割引率の変更

自動登録された時の割引率はデフォルトでは0%に設定されていますが、これを変更することができます。

1.ダッシュボード上部の「デフォルトの登録割引を設定する」をクリックします。

2.新規登録商品に適用される割引率を選択し、「設定を確定する」ボタンを押します。

「パフォーマンスダッシュボード」の使い方

定期おトク便の成果を把握するには、パフォーマンスダッシュボードの活用が不可欠です。このダッシュボードでは、重要なKPIを一目で確認できます。

ダッシュボードに表示される主要な分析指標は以下のとおりです。

主要な分析指標

  1. 出荷済み収益(売上)
    • 定期おトク便による実際の売上金額
    • 月次ベースでの推移確認
    • 四半期ごとの集計も可能
  2. 出荷済みユニット
    • 販売個数の把握
    • 商品ごとの人気度確認
    • 在庫計画への活用
  3. 登録数
    • 定期おトク便に登録された商品数
    • 新規登録と解約の推移
    • 商品別の登録状況
  4. 在庫関連指標
    • 在庫切れによる未配達数
    • 在庫なしが原因の売上喪失
    • 機会損失の金額

効果的な活用方法

  1. データの表示期間設定
    • 月次表示
    • 四半期表示
    • 目的に応じた期間選択
  2. 定期的なモニタリング
    • 週次での確認
    • 異常値の早期発見
    • トレンドの把握
  3. 改善活動への活用
    • 在庫管理の最適化
    • 割引率の調整
    • 商品ラインナップの見直し

パフォーマンスダッシュボードは、適切に活用できれば、ビジネスの改善点を見出し、より効果的な運営が可能となります。

ぜひ使いこなしましょう。

6. 売上分析:2つの重要レポート

定期おトク便の効果を最大化するには、2つの重要なレポートを活用することが不可欠です。ここではそれぞれのレポートの特徴と活用方法を解説します。

予測レポートの活用

レポートの取得方法

1.セラーセントラルの「レポート」→「フルフィルメント」を選択します。

2.左メニューから「Amazon定期おトク便予測レポート」を選択します。

3.イベント開催日(基準日)を入力してダウンロードします。

レポートの項目

8週間先までの予測が可能です。

予測レポート項目

活用のポイント

このレポートを使うことにより、定期おトク便による売上を予測することができます。

またそれ以上に大事なのが、在庫管理です。

定期おトク便の成功の鍵は十分な在庫なので、発注タイミングを間違えないようにしましょう。

パフォーマンスレポートの活用

レポートの取得方法

1.予測レポートの取得と同様に、「フルフィルメントレポート」画面から「Amazon定期おトク便パフォーマンスレポート」を選択します。

2.イベント開催日を入力してダウンロードします。

レポートの主要項目

パフォーマンスレポート項目

過去4週間の実績データを確認できます。

データ分析のコツ

定期的なチェック

毎週レポートを確認することにより、トレンドの把握するとともに、異常値を早期に発見することができます。

複合的な分析

予測と実績の差異を分析することで、売上の予測、発注のタイミングの精度をより高めることができます。

7. 成功のためのポイントとまとめ

定期おトク便は、適切に運用することで安定的な収益源となり得ます。

これまでの内容を踏まえ、成功のための重要なポイントをまとめました。

成功のための3つの柱

在庫管理の徹底

パフォーマンスレポートと予測レポートとを活用し、在庫を適切に管理することで、在庫切れによる信頼の低下を防止することができます。

適切な価格戦略

専用クーポンの利用も含めて、適切な利益率を考慮した上で、割引率を設定します。

顧客満足度の維持

商品の品質が悪いとレビューが悪化し、定期おトク便どころではありません。

レビューを定期的に確認し、商品の品質、顧客対応その他、問題がないか、定期的にチェックしましょう。

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