こんにちは、Amazon物販駆け込み寺の桜木です。今回は、Amazon物販で成功するための必須ツール、「ビジネスレポートの見方・使い方」について詳しく解説していきます。
私は7年前にAmazon物販に参入し、年商1億円を達成した後、現在はマレーシアを拠点に現役セラーを続けています。
また他社Amazonアカウントの運営代行や、塾を運営して後進を育成する等の活動しています。
その7年間の経験を通してビジネスレポートの重要性を痛感してきました。実際、私は毎日、そして週1回月1回と定期的に分析しています。
Amazon物販を始めたばかりの方や、まだビジネスレポートをうまく活用できていない方に向けて、その重要性と具体的な活用法をお伝えしていきます。
ビジネスレポートとは?Amazon物販成功の鍵を握る重要ツール
ビジネスレポートとは、簡単に言えば「一定期間の売上や販売個数、CVR(コンバージョン率)がわかるレポート」です。
日付別、ASIN別(つまり商品別)で各数値を確認できる、Amazon物販にとって欠かせないツールです。
なぜビジネスレポートが重要なのか?
- 日々の売上確認: 毎日の売上状況を把握することで、ビジネスの健全性をチェックできます。
- 異常の早期発見: 特に週1や月1で確認することで、普段とは異なる変化や異常を素早く捉えることができます。
- 長期的な戦略立案: 過去のデータを分析することで、季節変動や長期的なトレンドを把握し、将来の戦略を立てるのに役立ちます。
ビジネスレポートを効果的に活用すれば、あなたのAmazon物販ビジネスは大きく成長できる可能性があります。
ただし、存在を知っているだけでは不十分です。正しい見方と使い方を身につけることが重要です。
ビジネスレポートの種類と特長:どれをいつ見るべきか
Amazonのセラーセントラルには、複数種類のビジネスレポートが用意されています。それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けることが重要です。
ここでは、主要なレポートの種類と、それぞれの特徴、使用タイミングについて解説します。
1. 売上ダッシュボード
特長:
- 項目が少なく、簡単な概要を把握できる
- 日次、週次、月次の売上推移が一目でわかる
使用タイミング:
- 毎日の売上を簡単にチェックしたいとき
- 全体的な傾向を素早く把握したいとき
注意点:
- 詳細な分析には不向き
- あくまで概況把握用として活用すべき
2. ビジネスレポート(日付別)
特長:
- 日々の数字の推移を詳細に見ることができる
- 全商品の合計値が表示される
使用タイミング:
- 特定の期間の全体的なパフォーマンスを分析したいとき
- 返金率など、全体的な指標をチェックしたいとき
注意点:
- 個別商品の分析には不向き
- 少数精鋭戦略(1商品あたり月商数十万から数百万円)のセラーには不要
3. ビジネスレポート(ASIN別の親商品別)
特長:
- 親ASIN(商品の基本単位)ごとにパフォーマンスを確認できる
- 商品ごとの比較分析に適している
使用タイミング:
- 商品ごとのパフォーマンスを比較したいとき
- 特定商品の詳細な分析を行いたいとき
注意点:
- バリエーションを持つ商品の場合、詳細な分析には不向き
4. ビジネスレポート(ASIN別 子商品別)
特長:
- バリエーション(サイズ、色など)ごとの詳細なデータが確認できる
- 最も詳細な分析が可能
使用タイミング:
- バリエーションごとの売れ行きを確認したいとき
- 特定のバリエーションの問題点を把握したいとき
注意点:
- データ量が多くなるため、全体像の把握には不向き
- バリエーションを持たない商品の場合は不要
私の経験上、最も頻繁に使用するのは「ASIN別の親商品別」レポートです。これは、各商品のパフォーマンスを効率的に比較できるからです。
ただし、バリエーションを多く持つ商品を扱っている場合は、「ASIN別 子商品別」レポートも併用することをおすすめします。
最重要項目を徹底解説:セッション、販売個数、売上、CVRの意味と活用法
ビジネスレポートには多くの項目がありますが、全てを細かくチェックする必要はありません。
ここでは、特に重要な4つの指標について詳しく解説します。これらの指標を理解し、適切に活用することで、あなたのAmazon物販ビジネスを効果的に分析し、改善することができます。
1. セッション
セッションとは、ユーザーがあなたの商品ページを訪問した回数を示します。同じユーザーが複数回訪問しても1回とカウントされます。
意味
- 商品への注目度や興味の高さを示す
- 広告やSEOの効果を測る指標となる
- これの数が増えないと、販売個数は増えない
活用法
- セッション数が少ない場合は、商品の露出を増やす施策を検討する
- 時系列で変化を追い、広告やSEO対策の効果を確認する
2. 注文された商品点数(販売個数)
文字通り、実際に販売された商品の数を示します。
意味
- 商品の人気度や需要の高さを直接的に表す
- 在庫管理の基準となる重要な指標
- これが利益の源泉であり、この数を増やすために、数々の必要な施策を打つ
活用法
- 販売個数が少ない商品は、価格設定や商品説明の見直しを検討する
3. 注文商品売上(売上)
販売された商品の金額ベースでの合計を示します。
意味
- ビジネスの規模や成長を端的に表す
- 利益を生み出すもととなる
活用法
- 目標設定や事業計画の基準として活用する
- 他の指標と組み合わせて、商品ごとの収益性を分析する
4. ユニットセッション率(CVR)
セッション数に対する販売個数の割合を示します。つまり、商品ページを訪れた人のうち、実際に購入した人の割合です。
意味
- 商品の魅力度や購買意欲を数値化したもの
- 商品ページ(商品カタログ)の効果を測る重要な指標
- レビューの数と点数、価格がこの数値に大きく影響する
- レビューが多く点数が高いほどCVRは上がる
- 価格が安いほどCVRは上がる
- これを高めれば高めるほど、大きく稼げる
活用法
- CVRが低い場合は、商品カタログ、価格設定、商品の品質などの見直しを検討する
これらの4つの指標を組み合わせて分析することで、あなたのビジネスの現状と課題を明確に把握することができます。
例えば、セッション数は多いのにCVRが低い場合は、商品ページの改善が必要かもしれません。
逆に、CVRは高いのにセッション数が少ない場合は、広告やSEO対策の強化を検討する必要があるでしょう。
定期的にこれらの指標をチェックし、トレンドを把握することで、タイムリーな改善策を講じることができます。
数値が悪化したときの対処法:原因究明と改善策
ビジネスレポートの数値が悪化したときは、迅速な対応が求められます。ここでは、よくある原因と具体的な改善策について解説します。
1. ライバルの価格戦略変更
原因
- ライバルが値下げやクーポン、セールを実施している
対策
- 自社の価格戦略を見直し、必要に応じて一時的な値下げや特別オファーを検討する
- 「ライバルのこの施策は一時的なものであり効果は限定的」と言い切れるのであれば、対応は不要
2. 新規競合の参入
原因
- 強力なライバルが新たに市場に参入した
対策
- 新規参入者の商品や戦略を分析する
- 自社商品の強みを再確認し、それを前面に出すように商品ページを改善する
- 必要に応じて商品の改良や新商品の開発を検討する
3. レビューの悪化
原因
- 商品の品質問題や顧客サービスの不備によるネガティブレビューの増加
対策
- レビュー内容を詳細に分析し、問題点を特定する
- 品質管理を徹底し、必要に応じて商品改良を行う
- カスタマーサポートを強化し、顧客満足度の向上に努める
レビュー向上は何よりも優先して取り組みましょう。レビュー点数が悪いと、どのような施策も効果が限定されますし、安売りでしか売れず、最終的に撤退することになります。
4. 商品カタログの異常
原因
- Amazonのシステムエラーや規約違反による商品ページの非表示
対策
- 定期的に商品ページの表示状況をチェックする
- 問題が発生した場合は、Amazonセラーサポートに速やかに連絡する
- 規約違反の可能性がある場合は、商品情報を見直し修正する
これらの対策を講じる際は、単一の要因だけでなく、複合的な視点で分析することが重要です。また、一時的な変動なのか、長期的なトレンドの変化なのかを見極めることも大切です。
定期的なモニタリングと迅速な対応を心がけることで、数値の悪化を最小限に抑え、ビジネスの安定成長を実現することができます。
売上が伸びない?販売個数を増やすロジックと具体的な対策
売上が伸び悩んでいる場合、多くのセラーは価格を下げることを考えがちです。
しかし、それは必ずしも最良の策とは限りません。また価格だけを下げても根本的な解決につながらないことが多いです。ここでは、販売個数を増やすための論理的アプローチと具体的な対策について解説します。
販売個数を増やすロジック
販売個数は以下の式で表すことができます:
販売個数 = IMP(インプレッション) × CTR(クリック率) × CVR(コンバージョン率)
つまり、販売個数を増やすには、これら3つの要素のいずれか(あるいは全て)を改善する必要があります。
1. CVRを上げる
CVRは、上記で説明した通り、商品ページを訪れた人のうち、実際に購入された商品の個数の割合を表します。
まずはどこに問題があるのか、あたりを付ける必要がありますが、どこかわからない場合はここから手を付けると良いでしょう。
具体的な対策:
- レビュー点数の向上:ポジティブなレビューを増やし、信頼性を高める
- 商品画像(サムネイル)の修正:商品の魅力をより伝えられるよう画像を修正する
- A+コンテンツの活用:サムネイルでは伝えきれなかった商品の情報や、ブランドストーリーを魅力的に伝える
2. CTRを上げる
CTRは、商品が検索結果に表示された際に、実際にクリックされる割合を示します。
CVRに問題がない場合は、ここに目をつけます。
具体的な対策:
- メイン画像の改善:競合商品と差別化された、魅力的な画像を使用する
- メイン画像は商品カタログ(商品ページ)のうち検索画面で表示される唯一の画像
- これが良くない、または他と同じようであれば、なかなかクリックされない
- 価格戦略の見直し:競合商品との価格差を適切に設定する
- 商品タイトルの最適化:主要な特徴や利点を簡潔に伝える
3. IMPを増やす
IMPとは、検索結果やAmazonの各ページで商品が表示された回数を指します。
具体的な対策:
- SEO対策:商品タイトルや説明文に適切なキーワードを盛り込む
- 広告の活用:スポンサープロダクト広告を効果的に運用する
重要な視点:価格と品質のバランス
Amazonでは、「中品質・低価格」の商品が比較的よく売れる傾向にあります。しかし、単に安ければいいというわけではありません。以下の点に注意しましょう:
- 適正な価格設定:原価や競合商品の価格を考慮し、持続可能な価格を設定する
- 品質の確保:低価格でも一定以上の品質を維持し、良いレビューを獲得する
- 差別化ポイントの明確化:同じような商品との違いを明確に伝える
これらの対策を総合的に実施することで、販売個数を増やし、結果として売上の向上につなげることができます。
ただし、一度に全てを改善しようとするのではなく、優先順位をつけて段階的に取り組むことが重要です。定期的にビジネスレポートをチェックし、各施策の効果を測定しながら、継続的な改善を心がけましょう。
ビジネスレポートの効果的な使い方、チェックポイント
ビジネスレポートを最大限に活用するには、定期的かつ体系的なチェックが重要です。ここでは、週次と月次でのチェックポイントについて解説します。
前週(前月)比で増減を確認、急激な変化がある場合、その要因を分析する。
- 売上と販売個数の推移
- 主要商品のCVR(コンバージョン率)
- セッション数の変化
- 広告費用対効果(ACOS)の分析
- 返品率と顧客満足度の確認
それぞれの対策は、上記のロジックの部分で解説したとおりです。ビジネスレポートを効果的に活用することで、Amazon物販ビジネスの健全性を維持し、継続的な成長を実現することができます。
定期的なチェックを習慣化し、データに基づいた意思決定を心がけることが、成功への近道となります。
ACOSについては今回の記事では解説していませんが、効果の低いキーワードは止めるか入札額を下げて、ACOSを常に低く保つようにしましょう。
まとめ:ビジネスレポートを活用して、Amazon物販で成功しよう
Amazon物販におけるビジネスレポートの重要性と活用方法について、詳しく解説してきました。ここで、主要なポイントを振り返り、成功への道筋をまとめます。
ビジネスレポートの基本理解
- 一定期間の売上、販売個数、CVRを把握する重要ツール
- 日々の売上確認や改善策立案に不可欠
重要指標の把握と分析
- セッション、販売個数、売上、CVRに注目
- これらの指標を組み合わせて総合的に分析
定期的なチェックとアクション
- 週次、月次でのチェックポイントを設定
- データに基づいた具体的な改善策を実行
販売数増加のロジック理解
- IMP × CTR × CVRの公式を活用
- 各要素の改善策を段階的に実施
迅速な問題対応
- 数値悪化の早期発見と原因分析
- 競合動向や市場変化への柔軟な対応
長期的視点の重要性
- 一時的な数値変動に一喜一憂しない
- 持続可能なビジネスモデルの構築を目指す
Amazon物販での成功は、単なる運や偶然ではありません。ビジネスレポートを効果的に活用し、データに基づいた戦略的な意思決定を行うことで、着実に結果を出すことができます。
重要なのは、これらの施策を継続的に実践し、常に改善を続けることです。市場環境や顧客ニーズは刻々と変化します。
その変化に柔軟に対応しながら、自社の強みを磨き続けることが、長期的な成功につながります。
ビジネスレポートは、あなたのAmazon物販ビジネスを成功に導く羅針盤です。
この記事で学んだことを日々の実践に落とし込み、あなたのビジネスを次のステージへと導いてください。
最後に、成功への近道は存在しませんが、正しい方法で努力を重ねることで、必ず結果はついてきます。
あなたのAmazon物販ビジネスの成功を心より願っています。