過去にやらかした商品リサーチ痛恨のミス5選

はじめに

今回は普段のような解説ではなく、私が実際に経験した「商品リサーチでの痛恨のミス5選」についてお話しします。

YouTubeでいくつも解説動画をアップしたり、年商1億円でマレーシア在住と聞くと、私が順調に結果を出してきたと思われるかもしれません。

しかし実際はその真逆で、たぶん一般的なAmazonセラーの軽く10倍は失敗をしてきました(笑)

ただ、これらの数多くの失敗のおかげで、他のセラーよりも早く、そして多くの経験値を積むことができと思っています。

その中でも特にド派手にやらかした失敗がいくつかありますので、今回はそれらの中から商品リサーチに関する失敗を5つ選んでご紹介します。

これらの失敗から学んだ教訓を共有することで、これからAmazon物販に取り組む方々や、すでに販売されている方々が同じ轍を踏まないための参考になればと思います。

商品リサーチ痛恨のミス5選とは

私が経験した手痛いミスは以下の5つです:

  1. 販売手数料が大カテゴリと違う
  2. 追加したバリエーションが全然売れない
  3. 意匠権侵害で商品カタログ強制削除
  4. ライバルが強すぎ勝てない
  5. 広告費が高すぎ

そして、実はこれらの失敗は、ある特定の時期に集中して起きています。

その背景には、当時の私の心理状態が大きく影響していました。

それは最後にお話するとして、さっそくそれぞれの失敗について見ていきましょう。

販売手数料が大カテゴリと違う

販売開始後、何か違和感が、、、

当時、私はホビーカテゴリのある商品に目をつけました。

とある趣味系のもので、ライバルもあまり強くなさそうだったんですね。

利益率を計算してみると、正直なところギリギリでしたが、その時は他にやりたい商品が見つからなかったため、「まあいいか」という気持ちで販売を開始しました。

しばらくたって販売は順調に進んでいましたが、どうも入金額が予想より少ないことに気づきました。

なにかおかしいと思い、全在庫の画面で販売手数料を確認すると、明らかに多すぎる数字が表示されていたんです。

大カテゴリと小カテゴリで販売手数料率が違う!?

大カテゴリがホビーなら手数料率は10%、というのは多くのセラーにとっては常識なので、「Amazon、間違えとるやん!」と考えて、テクニカルサポートに問い合わせました。

しかし返ってきた回答は、「この商品にはDIYカテゴリの15%の手数料が適用されます」というものでした。

さらに詳しく問い合わせると、「大カテゴリごとの手数料率は目安であって、小カテゴリと大カテゴリの手数料率は必ずしも一致しない」とのこと。

「そんな大事な情報をなぜ公開してないの!?」と思いましたが、Amazonはこの世界では神様です。

逆らうことはできず、泣く泣く諦めるしかありませんでした。

教訓:FBA料金シミュレーターで必ず確認

幸いなことに、この商品は品質が良く、レビューも高評価だったため、1位を獲得して値上げを重ね、最終的にはある程度納得のいく利益率まで引き上げることができました。

現在も販売中です。

後から気づいたんですが、FBA料金シミュレーターでライバルの手数料率を確認してみると、やはり15%でした。。。

確認を怠った自分のミスだったんですよね。

結果的に大きなダメージは避けられましたが、重要な教訓となりました。

追加したバリエーションが全然売れない

始める前から気がかりなことが2つ

続いて別の商品の話です。

好調な売れ行きの、とある主力商品がありました。

しかし、しばらくたっても2位止まりで、1位がなかなか崩せない状況が続いていたんですね。

そこで私は、カラーバリエーションを追加することを考えました。

具体的には、1色は他社も出している色を、もう1色は他社が出していない色を追加したい、と。

工場に試作品を作らせてみたところ、かなり良い出来栄えでした。

「これは売れるでえ~」と確信したんですが、実は気がかりなことが2つありました。

1つは最低ロットが500個からということ。

ただし、この工場の品質は良かったので、500個という最低ロットは仕方ないと考えました。

もう1つの気がかりは、各バリエーションの月間販売個数が全く分からないことでした。

今なら各バリエーションごとに「過去1ヶ月で◯◯点以上購入されました」という表示が出るため確認できるんですが、当時はAmazonでは販売個数は開示されておらず、大カテゴリのランキングから販売個数を推測するしかありませんでした。

しかも、その推測も親ASINごとの数字でしかなく、バリエーションごとの売れ行きは全く分からない状況だったんですね。

全在庫をさばくのに1年半

どうしようか迷ったんですが、当時は絶好調でイケイケだったので(笑)、結局2色を同時に追加することを決めてしまいました。

我ながらバカですね~。

さて、予想通り、結果は散々なものでした。

主力商品が月500個売れていたのに対し、新しく追加した2色は、それぞれ月30個程度。。。

主力商品がどんなに売れても、新色の売れ行きは伸びません。

最終的に、この2色の全在庫をさばくのに1年半も!!かかってしまいました。

利益は出るには出たんですが、保管料も広告費もかかったので、当初期待していた金額をはるかに下回る結果となりました。

教訓:販売個数が読めないバリエーションは絶対やらない

この経験から、販売個数が読めないバリエーションは絶対に手を出さないようにしています。

最小ロットが少ない工場を探すという選択肢も、あるといえばあります。

が、最小ロットが少ないということは、往々にして工場の品質も良くないです。

それはそれで別の問題を引き起こす可能性が高いんですね。

品質が良い向上は多くの顧客を抱えているので、あえて少ないロットで受けることは基本ありません。

意匠権侵害で商品カタログ強制削除

販売が軌道に乗りかけた頃、Amazonからメールが、、、

当時イケイケだった私は怖いものなしで、ベストセラーの月商が1000万円を超える大きな市場に参入することにしました。

今までが順調すぎるぐらい順調だったので、自分の実力を試してみたかったんですね。

良い工場も見つかり、順調なスタートを切ることができました。

しかし、販売が軌道に乗り始めた矢先、突然商品カタログが検索対象外になってしまいました!

そしてAmazonから恐怖のメールが届いたのです。

メールの内容は

「意匠権を侵害している可能性があるという申し立てを権利者から受けましたので、出品者様の出品を一部削除させていただきました」

というものでした。

さらに

権利者が誤りがあったことを明確に述べた場合にのみ、Amazonは撤回を受け入れることができます

とも書かれていました。

驚いて、早速J-PlatPatで意匠番号を調べてみました。

正直なところ、調べるまでは「ちょっと似てるぐらいで通報しやがって」と思っていたのですが、意匠の画像を見た瞬間、笑ってしまいました。

びっくりするぐらいそっくりだったんですね。

「ちょっと似ている程度なら、弁理士に依頼して通報をひっくり返そう」と考えていたんですが、あまりにも似すぎていたため、「こりゃ勝てんな」と思い、あっさり諦めました。

500万円分の在庫をどうする!?

問題は残っている在庫の処分です。

当時の在庫は原価ベースで500万円、捨てるわけにはいきません。

新しいJANコードとASINで販売し直すことも考えましたが、また通報されたら終わりなので断念。

「Amazonの商品を買い取ります!と宣伝している業者にも当たってみましたが、500万円の在庫に対して査定額はたった20万円!

「ないわ~」と、これも諦めざるを得ませんでした。

最後の手段として、ヤフーショッピングでの販売を開始しました。

通報してきたセラーはヤフショでも販売していたので、通報される前に売り切ろうと考え、思い切った激安価格で販売。

幸い通報されることなく完売しましたが、結局回収できた金額は原価の半分程度、今でも思い出すと悲しくなるほどの大損害でした。

教訓:J-PlatPatで必ず知的財産権を確認

おもしろいことに、この通報してきたセラーはいろんな商品で意匠権を持っていました。

しかも、特別変わった外見でもない、どちらかというと普通のデザインの商品ばかり。

恐らく、「一見何でもない商品でも意匠登録し、ライバルが出てくると通報して潰す」という戦略で、長年上位を維持しているのだと思われます。

「頭良いな~」と思いましたが、実際これをやるにはそこそこのコストがかかります。

意匠登録には弁理士費用を含め初期費用で20万円以上、さらに年金と呼ばれる維持費として10年間で10万円以上必要です。

そのため、ある程度大きな市場でないと採算が取れません。

また、これを10商品、20商品と行うとなると、相当な資金力が必要になってきます。

このような市場では、「明らかに異なるデザインで商品を出す」という選択肢がある人だけが参入できます。

特にベストセラーが例えば月商300万円以上の規模があるような市場では、意匠権や特許、実用新案の有無をJ-PlatPatでしっかり確認した方がいいと思います。

ライバルが強すぎて勝てない

ライバル達のレビューは数千件以上かつどれも高評価

さて次の話です。

今まで述べたミスと同じような時期に、ベストセラーの月商が1,500万円ほどの、パワーセラーがゴロゴロいる市場に参入しました。

いつもなら弱そうなセラーが上位を占めている市場を選ぶんですが、当時は調子に乗っていたため、あえて強豪ひしめく市場で力試しをしようと考えました。

どれほど強豪だったかというと、この市場の中位以上のセラーがすべて高評価で、レビュー数も数千件以上。

今書いてて思いましたが、なんで参入してしまったんでしょうか?

良い工場を見つけて商品を決め、いつものようにまずは安売り戦略からスタートを切りました。

しかし、上位以外のセラーは全て安売りです。

安売りは、他がやらない場合に効果があるのであり、みんな安売りしていたら目立たないんですよね。

また、自社の商品のレビュー点数は他の商品よりも良かったんですが、この市場では基本的にどの商品もレビューの評価が高く、そこでも差別化ができませんでした。

結局、半額程度まで値下げしてようやく売れ始める状態で、それでもバカ売れとはいかない、という非常に厳しい状況でした。

激高の広告費!

さらに追い打ちをかけるように、広告費がかなり高額だったでんですよね。

商品価格が1,000円なのに、1クリックあたり150円!

これでは、商品1個を売るのに広告費だけで商品価格を軽く超えてしまいます。

コンバージョン率(商品ページを見た人が実際に購入する割合)は10%程度なので、大赤字は避けられません。

オーガニック、つまり広告に頼らない自然検索からの売上が大部分を占めていないと、利益を出すことは不可能です。

結果、商品を激安価格で売り切って撤退することになりました。

もちろん大赤字です(笑)

教訓:大きな市場はうなるほどお金がないと勝てない

この経験から学んだのは、大きな市場では相当な資金力が必要だということです。

長期間の安売りに耐える体力、そして同じぐらい長く続く莫大な広告費に耐えられる資金力が必要です。

この市場規模だと、最低でも数千万円の資金がないと、参入はできても市場に残り続けることは難しかった、と結論付けました。

マネーイズパワー ですね。

広告費が高すぎ

中小規模の市場なのに広告費1クリック300円

さて、最後の話です。

先ほどの失敗例は大きな市場だったので広告費が高額なのは当然と言えば当然だったんですが、今回紹介するケースは少し異なります。

これはベストセラーの月商が200万円程度の中小規模市場に参入したときの話です。

市場規模としては小さくはないものの、大きいとも言えない規模でした。

そして参入してから気づいたのですが、この市場の広告費は想像を超える高額でした。

商品価格が2,400円なのに対し、1クリックあたりの広告費が300円にもなっていたのです。

大して大きくない市場なのに、最も検索される重要なキーワードで1クリック300円もの費用がかかる状況でした。

1個売るごとに広告費が価格を超える

これでは大きな市場のケースと同様に、商品1個を売るごとに広告費が商品価格を超えてしまいます。

原価も考慮すると、かなりの赤字となってしまいます。

それを月に数百個も売っていくわけですから、相当厳しい状況でした。

特定のキーワードに人気が集中

なぜこのような状況になってしまったんでしょうか?

この市場の特徴は、特定のキーワードに人気が極端に集中していることでした。

売上のほとんどがある特定のキーワードからの流入で、それ以外の派生キーワードや別のキーワードではほとんど売れないんです。

例えば、「iPhone」というキーワードだけが圧倒的に売れて、「スマホ」や「iPhone 15」といったキーワードではほとんど売れないような商品、というとイメージしやすいかもしれません。(伝わるかな?)

そのため、全てのセラーがその売れるキーワードに群がり、結果として中小規模の市場なのに1クリック数百円という高額な広告費が発生してしまうんですね。

最終的には、しばらくの赤字期間を耐え抜いて、なんとか上位まで這い上がり、黒字化することができました。

ただし、こういった市場特性を事前に知っていれば、絶対に参入しなかったです(笑)

いったん参入してしまったので、やるしかなかったですが。

教訓:広告費の水準はリサーチ時に確認

この経験から、広告費の水準は必ずリサーチの段階で確認するようにしています。

セラースプライトのアドオンを利用すれば、簡単に確認することができます。

まとめ

これまでご紹介してきた痛恨のミス5選から学べる重要な教訓をまとめてみましょう。

FBA料金シミュレーターで必ず確認

販売手数料率やFBA送料は、必ずFBA料金シミュレーターで事前に確認しましょう。

大カテゴリと小カテゴリでまれに手数料率が異なることがあり、これを見落とすと利益計画が大きく狂ってしまいます。

販売個数が読めないバリエーションは絶対やらない

主力商品が売れているからといって、安易にバリエーションを増やすのは危険です。

そもそも売れている商品以外にバリエーションを追加する必要性はないですね。

J-PlatPatで必ず知的財産権を確認

意匠権侵害は一発退場になりかねない重大なリスクです。

特に大きめの市場では、意匠権や特許、実用新案の有無をJ-PlatPatでしっかりと確認することが不可欠です。

大きな市場は軌道に乗るまではとにかくお金がかかる

大規模な市場では、上位に食い込むまでに莫大な広告費と安売りのための資金が必要です。

よほどの資金力と実力がない限り、大きな市場への参入は避けた方が無難です。

商品リサーチの段階で広告費の水準を必ず確認

広告費が高騰している市場では利益を出すのが極めて困難です。

ただし、高額な広告費は参入障壁にもなるため、あえてそこに参入して時間とお金をかけて生き残るという戦略もなくはありません。

私自身はそういった戦略は選択しませんが(笑)

どんなに絶好調でも調子に乗らない

これが最も重要な教訓かもしれませんね。

これらのミスは全て、私が絶好調だった同じような時期に起きています。

当時は10商品ほど出品していて、ベストセラーもいくつか取得し、その他の商品も上位に食い込んでいました。

そうなると「自分はかなりの実力がある」と思い込んでしまい、「今までこうだったからこれもたぶんこうだろう」とか「大きな市場でも結構いけるんじゃない?」といった具合に、根拠のない自信が出てきてしまいます。

慣れてきた頃が最も危険です。

落とし穴はそこら中に転がっているということを、常に意識しておく必要があります。

今まさに絶好調の人こそ、この教訓を心に留めておいてくださいね。

より詳しく解説しているYoutube動画はこちら(2024年11月25日公開予定)

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